episode3/第三夜

探偵・緒方の怪異事件 エンドタイム~死覚の男~

「私には、人のエンドタイムが見える」 ステンドグラスに囲まれた薄暗い部屋の中、自信にあふれた声が響き渡る。 年齢は50代前半であろうか、神父のような服装も気にはなるが、 それ以上に左目を覆っている少し大きめな眼帯に、人は目をやるであろう。 煌めいているのは宝石の類なのか、 それらがいくつも散りばめられた眼帯を左手で触りながら、彼はさらに続けた。 「……エンドタイム……君にはどれほど残っているのかな」

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