episode3/第三夜

そう言うと男は、視線を動かし、少し後ろを振り返る。 ……いつの間にか、男のそばには少女が立っていた。 部屋がうす暗いこともあり、はっきりとは見えないが、年齢は10ばかりだろうか…… 出で立ちは和風ではあるが決して古めかしいわけではない。 顔色は決していいほうではなく、無機質といった表現が合うような感じではあった。 少し驚いた様子で、彼は言った。 「……申し訳ないね、娘さんがいたとは気が付かなかった」 男の顔色が少し曇ったような気がした。 彼はその少女には全く興味がない様子で、さらに続けた。 「もちろんそれなりの報酬はいただくが、それでもかまわんということかな?」

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