episode1/第一夜

その部屋の入り口に張られた立ち入り禁止の黄色いテープが、殺人事件を示していた。 中にいた青年がおどけた口調で話しかける。 「鎌田さん、だめです、話は聞けないっすね。MINDかぁ……」 年配の男がめんどくさそうに答える。 「あぁ、そうだろうよ……それにしたってひでえもんだなこの部屋」 「ひどい有様っすよ、遺体のほうも……でもなぁ……」 「どうした、なにかあったのか」 「うーん、気のせいですかねぇ、被害者なんすけど、なんかこう笑ってるようにみえちゃって」 「はぁ……わけわかんねえこと言ってねえで、さっさと仕事してこい!」 「あ、はいはい、わかりました」 青年は小走りにその場を立ち去る。

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