episode1/第一夜

語句自体も曖昧で、におい、匂い、臭い…… それらがすべて、同じものを表現しているにも関わらず、様々な呼称が存在している。 また、「におい」というものに明確な基準があるわけではなく、 ある人には良香と感じる「匂い」でも、 ある人にとっては悪臭と感じる「臭い」ということもありえる。 臭気指数というものもあるのだそうだが、数値によって判断できることではないように思える。 要するに、「におい」というものは明確ではなく曖昧…… はっきりしているものではなく、確かなものでもないということだ。 だが、そんな曖昧なものであるがゆえに、 さらに曖昧な存在である記憶と深い結びつきがある、という話がある。

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