episode2/第二夜

緒方はその道のほぼ真ん中で立ち止まり、誰かと会話しているかのようにひとり呟いた。 「……依頼者はずいぶんと小さいようだ……」 そして、脇に置かれた古い物置の下を覗き込んだ。 にゃあ…… そこには、後ろ足を怪我した子猫がうずくまっていた。 緒方はそっと手をのばし、その小さな依頼者を静かに抱き上げた。 にゃあ…… 小さな依頼者が何かを訴えるかのように鳴き声を上げた。

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