職場に到着した彼は、装備を整え待機していた搬送車に乗り込んだ。
「よう、ついてないな、今日は休みだったんだろ」
そう声をかけてきた同僚に、苦笑いしながら彼は答えた。
「まぁな。で、ジャンキーの現在位置は?」
「おいおい、ターゲットだろ、国立研究所施設内に潜伏中だ」
「あぁ、……あそこか……」
「どうしたんだ?」
「もしかして、その研究所……近くに遊戯機器施設がなかったか?」
「ん? あったかなぁ」
「今、妻と娘がそこにいるはずなんだ」
「なるほどな……大丈夫だ、すでに網打ち(非常警戒)は終わっている、簡単には出れねえよ。とっとと片づけちまおう」
「あぁ、そうだな……」
「緊張してるのか?」