episode4/第四夜

彼が未だに「躊躇」しながらも異質者に向けて銃を構えた。 それに呼応するかのように、異質者は何かを投げつけるしぐさを見せた。 その瞬間、全身にこれまでに味わったことのない衝撃をうけ、彼は地面に叩きつけられていた。 「グハァ……」 口の中に味が広がった。 鉄の味、血の味……味覚、人が持つ五感の一つ。この感覚があるならば、まだ生きている証拠だ。 冷静にそんなことを考えながら、彼はゆっくりと立ち上がり、周囲を見渡した。 そして、彼の目に、望んではいない最悪な現実が映し出された。 「まさか……そんな……」 彼はゆっくりと近づき、そしてひざまづき、何かを抱き上げた。

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